選考委員の感想

  • 仲畑貴志
    コピーライター
    プロフィール

    1947年京都市生まれ。コピーライター。カンヌ国際広告映画祭金賞、東京ADC賞など多数受賞。 東京コピーライターズクラブ会長であり、日本広告界を代表するコピーライター。 代表作は、「おしりだって、洗ってほしい」(TOTO)、「目の付けどころが、シャープでしょ」(シャープ)、「ココロも満タンに」(コスモ石油)、「アデランスは誰でしょう。」(アデランス)など。 毎日新聞社の人気連載「仲畑流万能川柳」の選者も務めている。

    「お買い物」というテーマに、ネタの枯渇はないようである。

    同じテーマでの句作りだから、マンネリに陥るのではないかと心配していた。が、日々の生活を支える「お買い物」というテーマに、ネタの枯渇はないようである。従って、実感と共感の良い句が目についた。金賞では、安いほう選ぶ我が子を抱きしめる【埼玉県・明日の風】や、メモになき一輪のバラ買い足して【千葉県・露軒】、記念日のレシートそっとしまいこむ【東京都・どぅーフレ】など、優しい心遣いから出発した句が多く見られた。小学生の部では、野菜棚クレヨンよりも多い色【岐阜県・きーちゃん】など、彼らならではの視点が光っていた。

  • やすみりえ
    川柳作家
    プロフィール

    全日本川柳協会会員。川柳人協会会員。文化審議会国語分科会委員。
    大学卒業後、本格的に川柳の世界へ。恋を題材に詠んだ句が幅広い世代から人気を得る。抒情的川柳を提唱し、現在多数の企業や市町村の公募する川柳の選者・監修をつとめるかたわら、全国各地で初心者向けの川柳教室を開催。
    著書に句集「ハッピーエンドにさせてくれない神様ね」(新葉館)「50歳からはじめる俳句・川柳・短歌の教科書」監修(土屋書店)他。

    大人と子どもが紡ぐ、さまざまな気持ちの五七五

    8万句を超える応募の中から上位に残った作品は、例年に比べて温かみのある内容の句が多かったという印象を受けました。それはきっとお買い物を通して、人と人とのふれあいとか心の満足度みたいなものを世の中の人がこれまで以上に求める時代に入ってきていることのあらわれなのだろうと思います。小学生の部の作品は、気持ちをとってもストレートに詠んだ句や、大人をいろんな目線で眺めている様子をユーモアに表現した句が良かったですね。今回も、お買い物を通して味わう大人と子どものさまざまな気持ちが五七五に紡がれていました。

  • 上大岡トメ
    イラストレーター
    プロフィール

    東京生まれ。東京理科大学で建築を学ぶ。一級建築士。山口県在住。二人の子を持つ母で、日常生活を楽しくする観点から本を製作。子育てや料理関連の著書もあり。 100万部を超えるベストセラーとなった『キッパリ! たった5分間で自分を変える方法』(幻冬舎文庫)、他、『のうだま2 年齢とともに記憶力が衰えるのはウソ!」(池谷裕二氏と共著 幻冬舎)『トメさんちの前向きごはん』(メディアファクトリー)『これでもかーちゃんやってます 』(筑摩書房)がある。

    チェーンストアはお客様にとっていろんな場になりうるんだなあ。

    相変わらず鋭いコドモたちの洞察力。まだ濁りのない目で、オトナたちをよく見ているな〜というのが一番の感想です。そんな中でも、コドモなりの思いやりで、おかあさんやおばあちゃんへの気遣い、そしておとうさんへの同情(!?)が現れている句もたくさんあって、ほんわかさせられました。毎年感じることですが、チェーンストアは単なる日常品の買い物の場であるだけでなく、家族の思い出、家族の関係改善、社会勉強、健康回復など、利用するお客様にとっていろんな場になりうるものなんだなあと、今回も川柳を通して改めて深く思いました。

日本チェーンストア協会会長 株式会社ライフコーポレーション 代表取締役会長兼CEO 清水 信次

第4回目となった今回、皆さまのネタもそろそろ尽きてしまうのではないかと不安な気持ちがありましたが、ご応募いただいた作品は実に8万句以上。内容もわれ われが気づかない視点で詠まれた作品や、私自身「こりゃまいった!」と言わざるを得ない意表をつかれた楽しい作品など、回を重ねても衰えることない皆さまの新鮮な視点や洞察に感心させられてばかりでした。いただいた作品は、会員各社で貴重な資産として企業・店舗のこれからの 経営の参考にさせていただき、より一層お客様に喜ばれるお店づくりに活かしていければと思います。

日本チェーンストア協会 総務委員長・中部支部長鈴木 芳知

今年は特に旬な話題をうまく取り入れた作品や、少し身につまされる体験であっても笑いに変えて楽しもうという思いがあふれた作品が多く、わくわく・どきどきしながらお買い物をされる様子が目に浮かぶようで、大変うれしい気持ちで審査をすることができました。小学生の部の作品にも、お店の特色やおかあさん・おとうさんの買い物行動を斬新な視線でうまくとらえたユーモアあふれるものが多く、初めて気づかされたことがいくつもあって大変勉強になりました。来年もこのようなすばらしい作品がたくさん寄せられますよう、今から楽しみにしてお待ちしております。

日本チェーンストア協会 広報委員長近澤 靖英

今回も世代を超えてたくさんの川柳を応募いただきました。みなさんの応募作品に目を通して行く中で私が特に興味を持ったのが小学生の川柳です。子どもたちは買い物を通じて色んなことを体験して、いろんな感想を持っているんだなというのがすごく伝わってきました。商品の安全や価格も大事ですが、来店される方に楽しくお買いものをしていただくことの大切さを改めて感じることができました。ご応募本当にありがとうございました。

日本チェーンストア協会 北海道支部長出戸 信成

小学生の部の作品を読んで雨が降ったり、風が吹いたり、からすが鳴いたり、友達と遊んだり、そんな日々の中に、いろんな家族が顔を出すのがスーパーなんだと改めて感じました。まとちゃんはお母さんの日々のやりくりをちょっとコミカルに豊かにつかんでいますね。れいさんは、きっとママみたいに話掛けてくれたんだね。たまに行くパパは意外と役に立つと、なっとうさん。パパと行くと何か素敵なことがあるんだね。スーパーは家族の発見の場。そんな安心して家族をつなぐ場所として、地域に根ざすよう頑張ろうと思いました。ありがとうございました。

日本チェーンストア協会 東北支部長大髙 善興

今回のコンテストも多くのお客さまからたくさんのご応募をいただき、本当にありがとうございました。弊社では、最近、バリアフリーに配慮したお店づくりや鮮度・味・品質にこだわった品ぞろえを通じて、「楽しく、豊かに、便利」なお買い物の機会の提供をめざしています。そのような目線で応募作品に触れてみますと、普段のお買い物の中にも、実にさまざまなニーズがあり、シーンにあふれていることに気付かされます。このような活き活きとしたお客さまの姿に触れ、弊社の取組みの大切さをあらためて実感しているところです。大震災から5年が経過したものの、東北地方はまだまだ復興の途上にあります。このような取組みを進めて、さらに東北地方に“笑顔”と“元気”をたくさんお届けできるように努めてまいりたいと思います。

日本チェーンストア協会 関東支部長上田 真

今年も面白い句が目白押しで、楽しく拝読させて頂きました。昨今のチェーンストアでの新しい取り組みに言及されている句も多く、我々の試みがお客さまの心にどのように響いているのか、お客さまがお店に期待していること、求めているものや、お買い物の際にどんなことに喜びを感じられているか、まざまざと知る事が出来ました。また、小学生の部も素晴らしく、子供の感性に感動するとともに、自分が忘れていた気持ちに気づかされる想いがしました。早いものでお買い物川柳も今回で4回を迎え、毎回楽しみにしております。来年はどんな作品達と出会えるのか、今からとても楽しみです。

日本チェーンストア協会 関西支部長大桑 堉嗣

昨年を上回るたくさんのご応募をいただきましたことに、深く感謝申し上げます。わずか十七文字の川柳ですが、その中にお客さまの心温まる日常や子どもたちが普段見ている情景を垣間見ることができ、はっとさせられることも多く、一句一句興味深く拝見しました。これからもお客さまの生活に寄り添い、楽しい思い出の一部になれるようなお店作りを目指してまいります。来年もまた多くの素晴らしい作品に出会えることを楽しみにしております。

日本チェーンストア協会 中国支部長野口 重明

このたびは「お買い物を通しての笑顔」を感じさせてくれるたくさんのご応募に心より感謝とお礼を申しあげます。私は今回初めて選考委員を務めさせていただきましたが、応募数はもとよりそのレベルの高さに驚きながら選考させていただきました。作品を拝見いたしますと性別・世代を越えた多くの方からのご意見、ご助言、激励、応援を頂戴しているようで、あらためて皆さまに愛される店づくりに取り組む気持ちが一層強まるとともに私どもの役割の重要性を痛感し、身の引き締まる思いでございます。

日本チェーンストア協会 四国支部長尾﨑 英雄

4回目を迎えた「川柳コンテスト」ですが、回を重ねるごとにたくさんのご応募をいただき、皆さまから親しんでいただけるようになったことをとても嬉しく思います。今年もユーモアを交えながら、時には鋭い視点で日常が切り取られたすばらしい作品にたくさん出会えることができ、大変楽しく選考することができました。皆さまからのお声を励みにして、今後も「笑顔」と「元気」を お届けできるよう一層の努力を続けてまいります。多くのご応募に改めて感謝いたしますとともに、末永く皆さまに愛されるコンテストとなることを願っています。

※支部長の一部については、最終選考会開催時の氏名を記載しています。

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